SHOCKWAVE 体外衝撃波治療

体外衝撃波

体外衝撃波はもともと、腎臓結石を破砕する治療に利用されており信頼度の高い治療機器です。

現在では、整形外科の分野においても応用され、ヨーロッパ中心に普及し、足底腱膜炎・テニス肘・ゴルフ肘、腱炎・靭帯炎など多くの疼痛疾患の除痛を目的とした治療に使用されています。 欧米ではスポーツ選手を中心に低侵襲で安全かつ有効な治療として利用されるようになりました。

日本では、難治性の”足底腱膜炎”に対してのみ保険適応が認められていますが、なかなか治らない肩周囲の痛み、肘周囲の痛み、足関節周囲の痛み、シンスプリントをはじめとしてスポーツ時の股関節痛、膝周囲の痛みなどに対して有効性が認められています。

体外衝撃波治療の特徴

体外衝撃波での治療は短時間で行うことができ、身体への負担が少なく、体外から患部に衝撃波を当てて疼痛を取る新しい治療法です。 治療した直後から除痛効果を実感できる場合が多く、副作用の事例がほとんどありません。 まれに皮下出血、発赤などありますが、基本的には安全かつ低侵襲が特徴の治療です。 痛みが軽減される理由は、痛みを感知する神経末端の働きを弱くし、新生血管を誘導して組織の修復を促進させるためとされています。

※治療期間や症状などにより、保険適応外になります。また、治療効果や治癒期間には、個人差があり、リハビリや他の診療と併せ行っていただく場合もあります。 ご不明点などは診療の際にご相談ください。

当院の体外衝撃波治療について

当院の体外衝撃波治療について

体外衝撃波の1回の治療時間は15分程度です。患者さんは座位または診察台に横たわる姿勢で治療が行えるため体への負担はほとんどありません。

一定期間(1~2週間)をおいて、通常複数回の照射を行うことが多いです。 治療についてのご相談やご不明点は、診療の際に遠慮なくお問い合わせください。

治療の流れ

STEP1

STEP1

外来を受診していただき、診察・検査を行います。 体外衝撃波治療の適応があると診断した場合、次回処置の予約をお取りいただきます。

STEP2

STEP2

セッティング(照射部位により体位が異なります。) 圧痛点、または超音波エコーで照射部位を特定します。

STEP3

STEP3

低レベルの照射から開始し、反応を見ながら徐々に出力を上げます。 目的とするショット数に達したら終了します。

STEP4

STEP4

治療効果判定を行い、必要に応じて次回の予約を取ります。


治療料金

保険適応 3割負担の患者さん(難治性足底腱膜炎)の場合:一連の治療15,000円(※3か月程度)
※医師による診療・検査の結果、患者さんの症状に応じリハビリをお受けいただきます。
自費診療 初回:15,000円
2回目以降:6,000円(1回につき)

※料金は、全て税込みになります。  ※再診料、診療にかかわる費用が別途かかります。


当院が導入している体外衝撃波治療器 新機種「DUOLITH®SD1(デュオリスSD1)」

体外衝撃波疼痛装置

当院が導入している「DUOLITH®SD1(デュオリスSD1)」は、新型の収束型「体外衝撃波疼痛装置」を導入しています。

「体外衝撃波疼痛治療装置」は、2015年2月に厚生労働省の薬事承認を取得した医療機です。

また、2015年4月には、体外衝撃波疼痛治療(難治性足底腱膜炎)で保険適用されています。


体外衝撃波治療の対象疾患

日本国内では難治性足底腱膜炎に対し、保険が適用されており、国際衝撃波治療学会(ISMST)では下記の疾患が対象とされています。

保険適応 難治性足底腱膜炎
医療機関にて診断後、保存加療を行い6か月以上経過したもの
保険適応外
  • アキレス腱炎・アキレス腱付着部炎
  • 膝蓋腱炎
  • 偽関節、疲労骨折
  • シンスプリント、(上記以外の腱炎、靭帯炎)
  • 上腕骨外側上顆炎(テニス肘・ゴルフ肘)
  • 肩こり
  • 慢性腰痛症
  • 石灰沈着性腱板炎
  • 肩腱板炎
  • 膝蓋腱炎
  • 骨折遷延治癒
  • 早期の離断性骨軟骨炎
  • 早期の骨壊死
  • 舟状骨骨折
※保存療法(内服薬、湿布、インソール など)を6ヶ月以上行っても痛みが改善しない方にも有効です。

体外衝撃波治療の効果

体外衝撃波治療での疼痛軽減効果は、大きく分け、除痛効果と組織修復効果2つの治療効果があります。

①短期的な除痛効果

  • 疼痛を誘発している神経の終末部を変性・破壊するため自由神経終末を減少させます。
  • 痛みに関わる神経内の伝達物質(CGRP、Substance-P)を減少させ、神経中枢への痛みの伝導を抑制します。

②長期的な除痛・組織修復作用

  • 体外衝撃波照射によりeNOS,VEGF,PCNAの生産による血管新生により血流を改善する効果があるため除痛されます。
  • 体外衝撃波照射後のコラーゲン産生の亢進による腱の再生、照射によるTGF-β、IGFの産生亢進による腱の再生により疼痛伝達物質を減少させる効果があります。
※体外衝撃波は、2~数回の照射を行っていただくことで治療効果が確認されています。
※体外衝撃波による治療は、完全なる除痛・治癒を保証するものではありません。
※患者様により治療効果や治療期間が異なります。平均的治療効果は、60~80%と報告されています。

体外衝撃波治療安全性と副作用

当院に導入している装置は、「体外衝撃波疼痛治療装置」として、平成30年8月23日に厚生労働省の薬事承認を取得しています。手術のようにメスで切開したり、針を刺すなどの外科的処置を伴う治療ではないため感染のリスクはありません。

ただし、治療中は軽度の違和感や痛みを伴うことがあります。それ以外に治療部位の腫脹、発赤、血腫、点状出血、コルチゾン治療を受けた部位での皮膚損傷等の有害事象の報告がありますが稀とされています。

アメリカの治験データでは有害事象に関しては、治療時の痛み・不快感、治療後の痛み、腫脹など既知の有害作用が観察されたのみで、皮膚発赤、照射皮膚面の痣形成、血腫、点状出血、瘢痕形成などの重篤な副作用はありませんでした。

  • 治療後には治療前と同様にすぐに歩行が可能です。
  • 麻酔などは不要です。
  • 傷跡は残りません。
  • 治療中には、ある程度の痛みを伴います。患者さんが我慢できる範囲で出力を上げて行きます。
    ※照射エネルギーの強弱に関して、微弱な数値の設定も可能なため、初めて衝撃波治療を受ける方や治療時の痛みに弱い方、患部の痛みが強い方にも気楽に治療を受けていただけます。
    ※痛みの感じ方は、患者さんによって異なりますので、低レベルであっても照射に耐えられない方は、遠慮なくお声がけください。その場合、照射を一旦、止めさせていただき、場合によっては治療を中断いたします。
  • 一般的に照射後にスポーツを行うことも可能です。ただし、より組織修復効果を高めるため、運動の制限を設けていただいた方は治癒が早くなります。 一般的な運動制限・インターバルは以下の通りです。
    ※肩の治療後、4~6週間オーバーヘッドの動きは避ける。
    ※上腕骨外側上顆炎の治療後、テニス等患部に負担のかかる練習を2~3週間、控えていただきます。また、スポーツをされない方であっても過度な負担は避ける。 足底腱膜炎、アキレス腱炎の治療後、ジャンプを含む激しい動き4~6週は控える。 など

激しい運動や動きに関し、上記は一例ですが、患部の状態を見極め、悪化する可能性がある事をご理解頂いた上、医師にご相談ください。また、一般的に衝撃波治療を受けた直後に除痛効果が働きます。次回、治療は1週間程度の間隔を空け、除痛効果が落ちついたところで、医師に相談の上、ご判断ください。

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